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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第113章 新年からろくでもない…

下手にナンパなんてしたら、返り討ちにあいそうなイメージ

はぁ~、この人がアネキの同級生…それにひきかえアネキは160あるかないかの身長でこの同級生に比べ随分と童顔だ
この二人対照的過ぎて並ぶと大人と子供みたいな身長差だ

「怜子、久しぶり。コイツが弟の貴久」

「あぁ彼が例の弟君?初めまして原田怜子です」

例のって何だ?その怜子という人はニコっと笑って挨拶をした

「初めまして弟です…姉がいつもお世話になってます」

一応僕は挨拶してペコリと頭を下げた
しかし背が高いなぁ、何故か僕は彼女の前で爪先立ちして少しでも身長差が無いようにしていた
何か女より小さい男ってのがちょっとイヤな感じで、単なる見栄っ張りなんだが…

「なぁ、例のって何の事だよ?」

僕は隣にいたアネキにボソッと聞いた

「ん?んー、まぁ別に何でもいいじゃない、ほら早く行こう」

アネキは上手くはぐらかし3人で浅草寺へ向かった
アネキとその彼女が並んで歩き、僕はその後ろを付いていくという感じで歩いていた
だが二人で並んで歩いているには少し不自然な感じだった
怜子という女はアネキにやたらとくっついて歩いていたしかも女同士で腕を組んで歩いている
正月の浅草はたくさんの人だかりだから、離れないようにしてくっついているみたいだが、過剰なまでにくっついて、アネキの頭の上に頭を乗せたりして、挙げ句にはマフラーを自分とアネキの首に巻き、ベタベタと恋人同士みたいな感じであるいている

アネキはやや困惑した表情だが、拒否せず上手くあしらいながらも怜子という女と話をしていた

(何だこの女、随分馴れ馴れしいな)

そして雷門をくぐり浅草寺の境内でお賽銭を投げた

「ねぇ、祐実は何をお願いしたの?」

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