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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第114章 もしかしてレズというヤツ?

アネキはそう言って喫茶店の中に入った
で、結局僕を無理矢理初詣に誘ったのはこの怜子というレズと二人だけになるのがイヤだからって事?

「いらっしゃいませ~」

「3人なんですけど空いてますか?」

「はい、どうぞ奥へ」

店内は正月とあってか、かなりの客がいたが、僕らは奥に空いていたテーブルに座った

怜子はアネキの隣に座り、身体をピタッとくっつけていた

アネキは僕に助けてと訴えてるような眼差しを送っていた
いや、ちょっとアネキが嫌がってんすけど、少し離れてくれませんか?
こう言えばいいのか?でもこの人、少しイッちゃてる感ハンパない!下手な事言ったらこっちが大変な目にあいそうだ

別に悪いことをしてるワケじゃないし、ちょっとやそっとじゃ離れないだろうしな…

「あの、アネキとはよく遊んだりするんですか?」

僕はわざとらしく怜子にアネキの事を聞いた

「うん、お姉ちゃんとは同じクラスで席も近いからいつも一緒にいるの」

何だこの嬉しそうな表情は…すごい満面の笑みだ

背が高くモデルのような美形で誰もが振り返る程の美人だ

それが何故、アネキのような背が低く足がやや太い女を好きになるのだろうか?

アネキ、御愁傷様
悪いがこの人には何も言えない…
アネキも観念してアッチの世界でも元気でやってくれ、そう心で言った後に手を合わせた…

「あ、貴久タバコちょうだい」

アネキがくっつき過ぎて苛立ってきたのか、僕にタバコをくれと言ってきた

「何だよアネキまだタバコ吸ってたのかよ!」

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