1985年空は蒼かった~イノセントスカイ
第116章 BOOWY
僕はボーカルの氷室京介よりも長身で格子柄のフェンダーを弾いてるギタリストの布袋寅泰に釘付けになっていた
あのギターテクニックはスゲー!
僕はBOOWYを毎日聴くようになった
波多野はレベッカを聴いて「このバンドは必ず売れるから」なんて言って僕にも勧めたが、僕はBOOWYは絶対に頂点に立つバンドだと思って今度は僕が波多野に勧めた
「レベッカもいいけどBOOWYすげーよ!波多野も聴けばわかるから」
なんて強引に聴かせていた
「んー、アタシはやっぱりレベッカかなぁ」
「うそ!絶対BOOWYだよ!こっちの方が断然いいよ」
「えー、レベッカの方がいいってば!」
この辺りから僕と波多野の嗜好の違いから徐々にすれ違いになっていった
年が明けてあまり会う機会も無かったし
しかし僕はそんなことはお構い無しにBOOWYを聴いていた
暇さえあればCDを取り出してその音に身を委ねていた
あぁ~こんなギター弾けたらカッコいいだろうなぁ
僕の頭の中では常にBOOWYの曲が流れていた
教室では園田と一緒にウォークマンで聴きながら歌ったりしてノリノリで学校の階段をリズミカルに駆け上がったり、エアギターの様に布袋寅泰になりきり弾いていたりもしていた
「ライブ行きてーな!」
「今度武道館でライブやるらしいぜ」
「マジ?じゃそれ行こうぜ!」
「チケット取れるかなぁ」
「もうしつこく何度も電話しまくって取るしかないだろ!」
僕らは興奮ぎみになってチケットの取り方等を話し合っていた
僕の生活にBOOWYが無いなんてあり得ない!
そのぐらいドップリと浸かっていた
波多野からレベッカのライブ観に行こうと誘われても僕はBOOWY一筋で他のバンドのライブに行こうとは思わなかった
自分の選んだ音楽が一番!だからBOOWYは一番なんだ!と
こんな事をしばらく続けているうちに波多野から話があると連絡が来た
そう、別れ話だった