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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第117章 愛しさにサヨナラ

もっとハッキリ言えば、会っても何もする事が無くなってきたという感じで、コーヒーを飲んだり、飯を食うぐらいしか無く、どこかに行こうかなんて話もしなくなっていた

「うん」

「でね、アタシ思ったんだ。もう終わりにしようって…」

わかっていたけど、いざ別れの言葉を切り出されると正直辛い…

「そうか」

僕はこんな事ぐらいしか言えなかった

「やっぱりアタシと小野っちは違うんだよね、趣味とかそういうのが…」

オレの趣味って何だっけ?
それに波多野の趣味って何だ?
そう言えば、お互いの趣味嗜好なんて知らなかったのかも、そう思いながらも波多野の言葉に頷いた

「聴いてる音楽も違うし、話も合わないし…何て言うか、これじゃこの先やっていけそうも無いって思って」


「何となくわかるよ」

僕は波多野の事は中学の頃から好きだった
それが高校に入ってからようやく念願が叶って付き合うようになった
でも僕は波多野が好きで付き合えたらいいなぁと思っていたのだが、いざ付き合ってみるとちょっとした温度差があった

僕は波多野と付き合える事しか考えてなくて、付き合った後、どうやって関係を築こうとか全く考えてなかった
つまり、波多野と付き合える、それが最終地点で、その先の発展なんかは頭の中に無かった
中学の時から好きで1度フラれて杉下に移ろうかと考えていた時もあった

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