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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第117章 愛しさにサヨナラ

「これ以上一緒にいたらケンカになりそうだから、アタシ小野っちとケンカはしなくない!だからもう…終わりにしよう」

つまらない事で言い争いはしたくない、僕が悪かったんだ、波多野と付き合えるようになった、ただそれだけで良かったのだが、波多野はそうじゃない
もっと色々と話をして、色々な場所に行ってデートをしたかったのだろう、僕は全くのノープランで、何をするにもまず波多野に聞いていた
どこに行きたい?何がしたい?
聞いてばかりで、自分からどこかに行こうとか、もうちょっと波多野を引っ張ってやらなきゃならないのに、常に受身の状態だった

「うん、わかった。今までありがとうな」

僕は色々と考えたけど、こんな言葉しか出なかった

波多野の目から涙がこぼれた、暗く沈んでいる顔だ

「ゴメンね小野っち。これからは友達でいよう、ね?」

友達でいよう、という事はもう会う機会は無いだろう

「わかった。今からオレと波多野は友達に戻ったんだ。また友達としてヨロシク頼むよ」

それをわかっていながら、僕は波多野の言う言葉を受け入れた

「…うん、じゃあ」

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