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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第21章 こんな学校は無理だって…

そしてまた3学期になるんだけど、受験まで後数日、僕はとにかく勉強した

康司の部屋にも行かずひたすら勉強をした
あのバカはしばらくポコチンが痛くてその晩は寝れなかったらしい、そりゃ輪ゴムで締め付けられて鬱血するぐらいのバカだからね


あんなバカに構ってる暇はない、勉強して波多野と同じ高校に行くんだ!

波多野と同じ高校に合格したら、波多野に告白しよう、そうしよう!

最初に滑り止めである、S学院の入試を受けた

校舎に入り、試験を受ける教室に行って愕然とした

(何だコイツら、どいつもこいつもガラの悪いヤツらしか居ないじゃないか…)

S学院を受験するほとんどヤツらは単願で、僕のように滑り止めで受験する者は少なかった…こりゃ失敗だと思った

頭を金髪に染めているヤツや、受験をしに来たのか、ケンカをしに来たのかよくわからないヤツに囲まれ、僕はイヤになった

ほとんどがヤンキーみたいなナリをしていた、うゎ~、コイツら思いっきりバカそうだなぁって

国語、数学、英語の3科目のテストの後、面接試験があった

面接では何を言ったか忘れたが、当たり障りのないような事を質問され、それに答えただけだ

テストの出来はまあまあだったが、多分合格圏内に入ってるだろうと思った


帰りは真っ直ぐにウチに帰らず、他のクラスからS学院を受けたヤツらと反対方向の場所の電車に乗り込みブラブラしていた

電車で通学というのが僕らにとっては珍しかったせいもあり、乗り換えをしながら行ったことの無い場所を回りながらウチに着いた

だが、あんな掃き溜めのような集まりの高校には絶対に行かない!
例え合格しても、僕にとっては必要の無い学校だ

問題は第一志望の都立の受験だ
絶対に合格しなきゃならない

都立校の受験まで、後数日しかない

僕はこの数日間、人生で一番勉強した期間だと思う


波多野と同じ高校に行くんだ、そう自分に言い聞かせ、勉強に没頭した

ついこの前まで「勉強?そりゃバカのやる事だよ、オレには必要ないね」なんて周りからボコボコにされかねないようなビッグマウスだったのが、いざ入試前となると、さすがにビッグマウスを連発してる場合じゃない…

今思えば僕はこの時点で既に負けていたのかなぁ、何の準備もしないで受験に挑む事自体が無謀ってもんだ

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