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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第23章 バイクの免許取ってみようかな

「小野っち、アタシ二次募集でK商業受ける事になった」

「そうか、波多野の頭なら大丈夫じゃん」

「でもさぁ、何か…ホンネは行きたくないんだよね。行きたい高校に行けないんじゃ…」

そりゃそうだ、僕だってS学院なんて行きたくないよ

「こうやって親や先生の意見に流されるように学校行って、毎日何の目的も無く、過ごすのかな…」

僕はそんな事を思っていた、何でだろうと

当時、尾崎豊の卒業という曲にはそんな事を意味するようなメッセージが込められていた

僕は尾崎豊の曲を聴き、共感できる部分がかなりあった

「そんなのヤダよね。でも高校ぐらいは出なさいって、お母さんがうるさいから」

どこの家庭でもそうなのだろう

【高校ぐらいは出ておきなさい】

中卒じゃ、働き口が無いから高校だけは出ろって事か
高卒だって、そんなに働き口があるとは思えないが

卒業まで後僅か、僕はF高校に授業して落ちた
でも波多野も落ちたし告白してもいいんじゃないか?
いや、波多野は今それどころじゃない、二次募集を受ける事で頭がいっぱいの筈だし…

今は何も言わない方がいい、そう思った

受験が終わり、S学院の入学の手続きも済ませ、後は卒業式を迎えるだけだ

僕はまた康司の部屋に行くようになった

相変わらずタバコの煙が充満する部屋で麻雀に明け暮れていた

「タカー、原チャリ乗ってみるか?」

康司はサユリの実家から原付のバイクを手に入れたらしく、夜な夜な近所をブラブラしていた

「原チャリ?オレにも乗らせてくれよ」

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