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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第25章 煙と一緒でモヤモヤっと

この日僕は、上野で井上と藤田というクラスメートと共にベストキッドという映画を観た

いじめられっこの高校生が、日系の老人に空手を教わり、強くなっていくというストーリーの内容だった

空手の型を覚える為に車のワックスがけや窓の拭き掃除をやらされ、それが防御の型になっているという、ヘンテコなトレーニングだが、僕らはそのシーンが気に入り、よく真似をしていた、あんなんで強くなるのかよ~って、笑ってたな…

「後、1週間で卒業だな。何かあっという間だったような気がするな」

藤田はそう言うが、僕はそうは思わなかった

「ウソー、長く感じたよオレは」

ようやく卒業か、という感じだった

「でも、卒業したらこうやって会う機会はなくなるだろうな」

まぁそういう事になるだろうね、何せ新たな出会いが待ってるし、友人も増えてくるから、いつの間にか会わなくなるもんだよね
やっぱり皆、卒業となると少しは寂しさみたいな感じになるのかな?

この時の僕はどう感じたのだろうか?実はよく覚えてない…

とはいえ、高校生活に期待が持てるか?と言われたら全く期待は無かった

4月からはむさ苦しいヤローどもに囲まれ授業を受けなきゃならないと考えただけでウンザリだったしね

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