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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第34章 もう、行きたくない

他の高校に編入する意欲すら失せた
ただでさえヤル気が無いのに、これ以上ヤル気を削いでどうしようってんだ、ったく

僕は入学して1週間も経たないうちに授業を抜け出し、駅前のゲーセンで暇をもて余していた

最後まで授業を受ける気なんて無い、昼になり食堂で飯を食ったら後は帰るだけだ

5時限目だ6時限目だなんて受けてられっか!

僕は1人校舎を出て駅に向かった
S学院の最寄り駅は都内で有数の繁華街で、通学で通る猥雑で危険な雰囲気が漂う細い路地を歩き、ゲーセンに入る

小銭を入れ、くわえタバコでシューティングゲームや格闘ゲームをやる

(空しいな…オレには何の楽しみも無い。あんな学校辞めて働こうかな)

いつも胸の中のモヤモヤが取れずにスッキリとしない日々を送っていた


こんな生活を続けていたから、クラスの誰とも会話をしていない

同じ中学からS学院に行ったのは僕を含め3人で、普通科に入学したのは僕だけしか居なかった
当然の如く、クラスでは話をする相手もおらず、僕は寝てるかウォークマンで音楽を聴いているぐらいだった

自分から話し掛けるなんて事はしなかった
僕は上から目線でクラスの連中に接していたから…

学力ではオレの方が上だ、オレはお前らに合わせてやってるんだ、と言わんばかりに

よくあんな態度をとってケンカにならなかったな、と思う程、僕は傲慢な生徒だった

多分、クラスのヤツラはヤツラで僕を相手にしなかったのかもしれない

僕にとってはその方が良かった
1人の方が気ままで好き勝手に出来た

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