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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第37章 めんどくせえ、休もう

後楽園でバイトって何をするんだろうか?

ビールとか売るのか?

園田に詳しく聞いてみた

すると園田は

「場内整理のバイトで、後楽園球場だけじゃなく、後楽園ホールもあるんだよ」

「後楽園ホールってプロレスとか観られるのか?」

「観れるけど、ちゃんと座ってる客を監視しないとダメなんだよ」

ふーん、そういうバイトがあるのか、野球やプロレス観ながらバイト出来るんならやってみようかな…
僕は野球もプロレスも好きだったから、それを生で観ながら金貰えるんならいいじゃん!て事で即決した

「いいよ、オレもそこに紹介してよ」

僕はバイトを探していたし、すぐに働けるなら何でもいいや、と思っていたから
ましてや、後楽園で野球観てプロレス観てなんてワクワクするじゃん!

その数日後に僕は後楽園に向かった
ナイターが行われており、僕は三塁側の内野席にいた
ファールボールが飛んでくると笛を吹いて観客に知らせ、ボールを回収するという役割だった

比較的楽な仕事だったが、試合終了時間が未定な為、帰りが遅くなり、終電なんて時もざらにあった

でも、ただ学校に行って帰りにゲーセンに寄って時間を潰すという事に比べればマシな方で、野球やプロレスなんかを観戦できるんだから僕にとっては退屈しのぎになっていた

ゲームが延長戦に突入すると、ウチに帰ってくる時間は12時を越えていた

そうなると、寝坊をする事が多くなり、遅刻する事もしばしばあった
当時は、遅刻した理由を
「ウィッキーさんに捕まったから」
とごまかしていた
ウィッキーさんとは、日テレで朝の番組【ズームイン朝】の中で、ウィッキーさんのワンポイント英会話というコーナーがあって、通勤通学する人々にウィッキーさんが英語で質問するという人気コーナーがあった
で、遅刻した理由が必ずと言っていいほど、ウィッキーさんに捕まったから、この言い訳をしたのは僕だけじゃないはず…


で、話は逸れたけど、終いには遅刻ばっかするぐらいなら、最初から行かなきゃいいんだ、と開き直り遅刻しそうな時間に起きた時は休む事に決めた

そんなもんだから、1学期で既に出席日数がかなりヤバかった


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