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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第39章 水族館に行くべょ~!

その夜、杉下から電話がかかってきた

「貴久、優子ちゃんからだよ」

姉の声で僕は受話器を取った

「はい、もしもし」

【あ、小野っち久しぶり!元気?】

「うん、どうした?」

【いや、新しい学校はどうかなって…】

「うん、あぁ。まぁ何とか」

僕は電話の側でテレビを観ている両親の存在が気になって会話どころではなかった

この時代、携帯電話なんて無かったから、親の目が気になって会話もしどろもどろだった、多分僕らの世代はそうだったんじゃないかな?

【小野っち、日曜日は空いてる?】

「日曜日?ちょっと待って」

そう言って僕はバッグからバイトのシフトを確認した

「えー、日曜日は…あ、空いてるね、うん空いてる」

【それでねそれでね、どっか出掛けない?】

…まさか杉下と二人だけか?

「他に誰か誘ってんの?」

【小野っちは大勢いた方がいい…のかな?】

(かな?って何だよ、かなってのはよーっ!)

「いや、どっか出るっていうからさ。他に誰かいるんじゃないかと。ねぇ」

相変わらず歯切れの悪い会話だ

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