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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第41章 オーディション

この日、都内の高校生が一斉にサンシャイン広場に集まった

おニャン子クラブがデビューシングル【セーラー服を脱がさないで】のイベント開催で僕もクラスの数人と放課後サンシャイン広場に向かった

あっという間に人だかりになり、おニャン子クラブの登場を今か今かと待ち望んだ高校生でごった返していた

中にはケンカを始めるヤツラもいて、とにかくすごい人だかりだった

しかし、いくら待ってもおニャン子クラブは出て来ない

痺れを切らした観客は、早く出て来い!と文句を言うが一向に出て来る気配が無い

アホらしい、と僕はさっさと帰った
後から聞いた話によると、あまりの人だかりに関係者は危険を察し、イベントは急遽取り止めとなったらしい

(波多野はあんなグループに入りたがっているのか?何考えんだか…)

水族館の帰りの電車の中、僕と杉下は波多野を問い詰めるような感じで聞いた

すると波多野は観念したかのように、おニャン子クラブのオーディションを受けてみたいと重い口を開いた

「絶対に誰にも言わないでよ!約束だからね!」

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