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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第44章 追っかけ

もうすぐで夏だ、夏休みになったら海でも行こう、そこで水着姿の可愛い子と知り合いになってさっさと初体験を済ませよう、と

妄想だけは人一倍だ、だが実行には移せないチキンであるので…

今年の夏は誰と海に行こうか?
そんな事を考え、また空を見上げると夕陽は落ちて、1日が終わっていった

この頃になると、僕は今のバイトを続ける事がキツくなってきた
試合終了の時間が読めない、長引くと終電で帰る事が多々あったので、他のバイトにしようとフロム・エーやan(当時は日刊アルバイトニュース)等を見て、どこかいいトコはないかと探していた

なるべく時給が良い所を選び、最終的には赤坂にあるビル清掃のバイトに決めた

ここのバイトはクラスで橋本というヤツがやっていて、僕は彼に頼んで採用された

清掃といってもビルの各階フロアーをくまなく掃除をするので、ケッコー体力を使う

そこのバイトは僕らの他に数名の高校生がいて、顔を合わせるうちに親しくなっていった
バイトが終わり、僕らは赤坂の街を歩いた

丁度その頃、赤坂にあるTBSで木曜の9時に放映していた
【ザ・ベストテン】が生放送していて、TBSの入り口には、追っかけと呼ばれるファンが歌手の姿を一目見ようと待ち構えていた

追っかけのほとんどは女子高生だったような気がする

僕らはバイトの帰りにこの場所を通っていたので、毎週木曜日に集まる追っかけを見ながら

「そんな事したってアイドルなんて見れないだろ、暇なヤツラだな」

なんて事を言いながら、追っかけのヤツラを時には【追っかけ】した事もあった

早い話がナンパってヤツだ
まぁ芸能人を追っかけてる女がバイトしてる高校生なんて相手にしなかったのだが

これも青春の1ページってヤツで…



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