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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第45章 ディスコじゃなくデスコw

バイト仲間で都内の私立校に通う1個上の田中というヤツと僕は親しくなった

「小野~、今度の土曜の夜ディスコに行かねえか?」

(デスコ?デスコでヒーバーってヤツか?)

僕はそれまでディスコに行った事は無かった
都内に住んでいるとはいえ、下町育ちの僕にディスコで遊ぶなんて考えた事もない

「いいけど、オレ踊った事ないよ」

そりゃそうだ、ディスコなんてテレビの中の世界で、ただ身体をクネクネしながら踊るなんてとても出来ないし、人前で踊るなんて無理!

ていうか、あれを踊りというのだろうか?
中学の頃はブレイクダンスが流行り、僕も少しは踊れたが、ディスコでブレイクダンスなんてやったら、周りで踊ってる人の邪魔になりそうだしな…

まぁ、やること無いし行ってもいいかなと思ったけど、何せ初体験だからどうしていいのやら…

「ディスコで女ナンパしようぜ」

(ナンパ?いや無理だろ、オレらは!)

「で、誰が来るの?」

「オレとお前と三年の坂井って人いるじゃん、あの人とその友達で5人だ」

坂井という僕の2コ上の人は都内の大学付属高校に通う三年生で、僕や田中と同じバイト仲間だ

180近い身長でイケメン、色んな遊びを知っていて、女にもモテる

「あぁ、あの人が来るなら行くよ」

僕はその坂井という人とよく話をして遊びにも長けていたのでその人が来るなら僕もディスコに行ってみようと思ったからだ

「で、どこのディスコに行くの?」

「渋谷にあるPってディスコだよ」

へー、渋谷か

そういや渋谷なんてあんまり行かないなぁ

僕はバイトの帰りに坂井と話をした

「あの、坂井さん土曜日ディスコ行くんですよね?」

僕は170ちょいの身長で彼と並ぶと頭1つ分の差がある

「うんうん、来るんだろ小野ちゃんも?」

僕は彼に【小野ちゃん】と呼ばれていた
背が高くてイケメンで外見はチャラい、でも何故か人を引き付ける雰囲気もあり、バイト仲間の高校生の中ではリーダー的な存在だった

「行った事ないんですけど、踊りってどんな踊りするんですか?」

「踊りなんてテキトーでいいんだよ、ノリだよノリ」

ノリねぇ…
踊れるのか、オレは?

ノリで踊って、ノリで女を口説くのか?
いやいやいや、無理だってば!

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