テキストサイズ

忘れられない人

第6章 可愛すぎる女の子

〜翔さん side〜


「ふ〜…」


やっと忙しい仕事がひと段落して、落ち着いてタバコが吸える…



ひとりでくつろいでいると…




バタバタバタ…ガチャッ!!!



慌ただしい足音と共に、喫煙室のドアが開いた。



「…ハァハァ…翔…知ってたか…?」



同期の透夜(とうや)が突然話題を切り出した。



主語もないのに、その発言の意味がわかるわけないだろ…



「何の話だよ…。わかりやすく説明しろよ…」



若干呆れ気味で俺は口を開いた。




「最近、上の階の100円ショップにバイトで入ってきた女の子が、メチャメチャ可愛いって噂だよ!!!翔はその話、知ってたか?」



そんなこと噂になってたか…?聞いた覚えがないんだけど…



「いや…知らなかったけど…」



「専門学生らしいんだけど、背がちっちゃくて、顔も芸能人並みに可愛いって噂なんだよ!」



芸能人並みに可愛いって…大げさだろ…



俺は鼻で笑ってしまった。



「あっ。今、バカにしただろっ!俺も真相を確かめたくてさっきこっそり見に行ってきたんだけど…びっくりするくらい可愛かった…。目がクリクリしててお人形さんみたいな感じだったよ」



実際に見に行ったのかよ…。やれやれ…



呆れてため息をついていると…



「翔も実際に見に行ってみろよ。絶対びっくりするから」



「はいはい。気が向いたら行ってみるよ」



半分投げやりに言った。



そんなに可愛い子がこんなところにバイトしに来るわけないだろ…。



透夜には軽い返事をしたけど、"メチャメチャ可愛い"っていうフレーズがなぜか頭から離れなかった。




次の日の夕方、100円ショップに入った女の子のことが気になってきて、休憩時間にこっそり見に行ってみた。



売り場やレジの周辺を見渡してみたけど、それらしき女の子は見当たらなかった。



今日はバイトに来てないのかもしれない…と思い、自分のお店に戻ろうとした時…



目の前に、今まで見たことのないくらい可愛い女の子が品出しをしてた。



透夜が言ってたのは、この子のことか…。



透夜の話を信じてなかったけど、自分の目で見て、信じることができた。




本当にメチャメチャ可愛いっ!!!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ