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うちの社長が酷すぎる!

第4章 知ってしまった


「……………なぁ、それさ。俺も言えば聞いてくれんの?」

ふと口をついて出た言葉。
稀乃は言葉の意味を理解できないとでも言うように首を傾げてみせた。

「いいんだよな、彼氏じゃねーやつとできんだし」
「?えっと………ヒカルさん?なんの話で…」

稀乃が最後まで言うのを待たず、俺は稀乃をお姫様抱っこで抱えた。

「は!?ちょ、なにすんですかッ!離してください!」
「うっせーよ」

一蹴して、敷かれた布団に稀乃を放り投げる。

「いたっ……」

薄い布団に落とされた衝撃で、稀乃が悲鳴をあげて涙目で俺を睨みつける。

「……っなにするんですか?まさか、貴方が海叶を殴ったときみたく海叶と同じことをしようとしてるんですか!?」

その言葉が心にずしりと乗っかる。
馬鹿みたいに血が上った頭から急激に熱が冷めていった。

「…ちげーよ」

稀乃にかけ布団を投げる。
「わぶっ」と色気のない声を上げながら稀乃が布団で見えなくなる。

「ガキは寝ろっていうのを力まかせにしただけだ。思い上がんな、ばーか」

それから俺は稀乃を直視出来なかった。
稀乃は俺の言うことを信じたのか「ガキとはなによ、ガキとは…」とか呟きながらしぶしぶ掛け布団をかけ直していた。


…知ってしまった。
俺が稀乃に抱いてるこの気持ちは
抱きたいと思ってしまって理性が飛んでしまったあの衝動は

俺が、稀乃を好きだから。

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