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アホエロ小説

第2章 巣作りしましょ?

早く帰りたい、時計をチラチラ確認しながら話していると不満そうな声とともにその人の手が今朝の遥のように俺のスーツを掴む。



「相楽さん、どうしてその人なんですか??話を聞く限りその方は相楽さんを大切にしているとは.......私なら....」



そう言いながら上目遣いでうるうると薄い膜を張った瞳が数回瞬きしながら俺を見つめた。



こんな顔をされれば大抵の男はノックアウトだろう。


だが相楽にそんなものは通用しない。




「大切にしてもらってますよ。少しわかりづらいだけなんです。」




その言葉に驚いたように女の人の目がほんの少し見開かれる。



それでも諦めないというように今度は横から体ごと密着するような形で近づいてきた。


「でも、あの....」



甘えた声でまだ何か言おうとするその人の密着をスルリとよけ、




「すいません、恋人が家で待ってるんです。」



そう言って俺は帰路についた。

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