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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第3章 青空と共に・・・流れる雲

『マリアの・・・〃苦情〃は

後でたっぷり受け付けるからさ?』










そんな私に

隣の席に座る彼は

無邪気に微笑みました













『だから・・・とりあえず

〃ここ〃にいて・・・』







ぎゅ・・・。










並んで座り

私の右手を握る大きな手




おそろいの指輪の光る

彼の・・・左手














破天荒な人・・・だったかも知れない







時には無茶苦茶をして

突っ走るような



危険も省みず

飛び込むような・・・






けれど・・・それは




時々・・・本当に彼が

それを〃決断した時〃







そしてそれは…いつだって

〃私のため〃

〃私たちのため〃だった








そんな記憶も

手繰り寄せるように

沸々と甦るのでした









〃とりあえず来てくれ〃

〃いてくれるだけでいい〃









私に理由を教えず

昨日から一貫して

そう言い続けた優人









嵐だけど・・・突風だけど

急行列車だけど






だけど







私をひとり・・・置いてはいきません






こうして必ず

私の手を・・・引いていくのです







握られた手を見つめ

私はようやく

優人の…その無邪気な笑顔を

見つめて頷きました







『・・・うん・・・っ』









私と優人は手を繋ぎ

青空へと・・・飛び立ちました

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