碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~
第5章 はじめての・・・ケンカ
ブルル・・・・っ・・・・ブルル
思わず・・・手を止めた私の眼前
メールの通知は
次々に画面が変わって
鳴り続けるのでした
〃『写真送るよ~~♪♪♪#@※%』〃
『・・・』
彼のケータイを
無断で覗き見ることなんて
私は…もちろん
したこともないし
しようとも思いません
けれど
その性能上・・・スマホの画面に
一部だけ内容が表示される
その通知機能
ブルル・・・・っ
〃『"ERICA"が写真を送信しました』〃
・・・。
『・・・』
女性らしき・・・・名前で
通知画面が光り続ける優人のスマホ
見ようと思って
見たのではない
だけど
だからこそ
なんだか
見てはならないものを見た
理屈は抜きに
そんな思いに駆られた私がいました。
『フゥ~~…お待たせ♪
腹へった~~・・・』
タオルで髪の毛を拭きながら
優人が出てきました
私は…とっさに彼のスマホを
パッとソファに戻しました
『マリア・・・?腹へったろ?
悪いな、いつも待たせて』
『う・・・ううん・・・っ。
冷めないうちに・・・食べよう?』
『いただきます・・・♪
すげ・・・うまそ~~』
優人は、いつもと変わらない
本当に嬉しそうな笑顔で
手を合わせて夕食につきます
『あ・・・ゆぅちゃん?
ケータイ・・・ずっと鳴ってたよ』
『モグモグ・・・~~マジ?
電話?・・・』
『・・・じゃ、なかったみたいだけど』
『~~じゃ後でいい(笑)
マリア?コレすげー美味い!
手間かかったろう?サンキュウな♪』
『ううん・・・そんなことないよ』
いつも通りの…やさしい優人
私の作った料理を
本当に美味しそうに
幸せそうに食べてくれる優人
いつもの
楽しく幸せな夕食の時間
勝手にギクシャクしていたのは
私・・・だけ