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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第5章 はじめての・・・ケンカ


スグルさんが・・・私に

想いを伝えてくれた時のことを

私は…鮮明に覚えている。





驚きながらも

私は…やっぱり

嬉しかった





人間としてか異性としてか

その境目はさておき



私も…確かにスグルさんを

心から尊敬し

慕っていたから




そんな相手が

自分と一緒になりたい、と

そう告げてくれることを

嬉しいと思わない人は

きっといないでしょう




私は当時…差しのべられた

スグルさんの手を

きっと・・・握りたかった




その想いに・・・応えたかった





そんな気持ちを…確かに覚えています。







だけど・・・もうひとつ



確かに存在した気持ち






私が一番つよく覚えている気持ち







〃それ〃があったから

それに自分で気付いてしまったから

私は…スグルさんの想いに

応えなかった







私の心には

いつも

いつになっても

変わらずに

たった一人の男性(ひと)がいた






私の心には・・・優人だけがいた







だから私は…目の前にあった

あたたかな幸せを

選ばなかったの





奇跡と呼ぶほかに

言い表せないような

再会を果たした私たち





あの瞬間がなければ

〃永遠に逢えない私たち〃だった






そんな・・・

永遠に逢えなかったはずの





一生…一緒になることはない

二度と…会うことも

手を握ることも

触れることも



言葉を交わすことも

その声を聞くことも



永遠に叶わない





想い続けても

愛し続けても

共に生きる日は…やって来ない






そんな優人を

私は・・・選んだの











それなのに


どうして・・・・優人は




優人が

そんなことを言うの?





そんな気持ちが

ドバドバと溢れるように

私は…感情を

爆発させてしまったのでした

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