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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第1章 澄みきった青空

『まりあちゃん疲れたでしょ?

カフェも図書館もあるし休憩する?』




『はい・・・』




みんなに慕われていて
他の利用者や新入りの私にも積極的に
親切にしてくれたその人は


マメに声をかけて
施設のシステムを教えてくれたり
案内してくれていました







ピッ・・・





彼が図書館の入館証を提示した時のこと








北野さん・・・






北野・・・・・・







キタノ・・・・・・〃ユウ〃・・・?







・・・・・・。








『・・・』







〃スグルさん〃と呼ばれていた

その名前をすっかり忘れて




当たり前みたいに





私は・・・その人の

入館証に印字された名前を

咄嗟にそう読んでしまいました







北野・・・優(スグル)さん・・・








『・・・』




単純な・・・理由でした





自覚もないくらいの


些細な・・・単純な・・・。









たまたま・・・同じ字








〃あの人〃と・・・同じ字




あの人を・・・思い出させる名前





たったそれだけのことに




咄嗟に・・・心臓がドクっと音を立てた










思い出す?



・・・なんて





なんとも私に好都合な

勝手な言葉かも知れませんね







それは・・・さておき





私が…どうしても思っていた事





・・・






〃北野 優〃




『・・・』




〃優〃



あの人と・・・・・同じ字







〃この字を名前に持つ人は

本当に優しい人ばかり・・・〃






なんて・・・。




勝手に経験判断していました。








あの人は・・・どうしているだろうか





この澄んだ


同じ青空の下で




あの人らしく・・・生きている










幸せに・・・している









どうか・・・そうでありますように







私は・・・今日も空に祈った

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