碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~
第1章 澄みきった青空
『あ・・・ぇと、スグル・・・さん
こんにちは・・・』
少し残念そうな
北野さん・・・スグルさんを前に
私は名前を呼び直しました
そんな…私の胸の内に秘めたような
些細な理由を引きずるのもなんですし
相手には毛頭、関係のないこと・・・・
それよりも何よりも
相手に気を遣わせたり
その場の雰囲気に…わざわざ逆らうような
〃そう呼べ〃と強要されたのではないけれど
少なからず、打ち解けられるよう
気配りをしてくれるものを
はねつけるようなことは
したくなかったから。
『あはははははは!!
かえって不自然になってるよ?(笑)』
『ごめんなさい・・・』
恥ずかしかったです
私だって・・・良い大人なのに
そんな私に嫌な顔もせず
その人・・・スグルさんは
優しく、親切にしてくれました
『まりあちゃんも、もう少し
上腕鍛えてみる?色々便利になるよ?』
『・・・・・・』
スグルさんのアドバイスに
私は思わず無言で
その逞しい腕を見つめていました
『アッハハハハハハ!!!
~~大丈夫!大丈夫!
いくらなんでも〃こんな風〃には
ならないから!特に女の子ならね
安心しなよ♪(笑)』
『いぇ・・・あの・・・その
ごめんなさい・・・・・・』
彼は思い切り笑います
〃こんな風〃と称した
自分の鍛え上げられた腕をかざしながら
上半身だけ見たら
この上なく鍛え上げられて
分かりやすく言えば・・・ムキムキの
・・・逞しい体
『まりあちゃんて、おもしろいよね(笑)』
『私・・・~~~~』
繰り返しますが
スグルさんは自力で歩行は出来ない人です
『こんな風にはならない』なんて
笑って言ってくれたけれど
裏を返せば
〃中々なれない〃ものだ・・・と
私は思うのです
そうなれるまでに、この人は
どれだけ努力をしてきたのだろう・・・
そんな尊敬の眼差しで
まぶしい思いで
私は、その人を見上げていました