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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第5章 はじめての・・・ケンカ

走った・・・なんて言えど

人から・・・優人から見れば

ヨタヨタと…やっと歩いてる子が

目の前でモタついているだけ






『マリア・・・待てって・・・!』





後ろにいる優人が

それも…狭い室内で
後を追ってくれば

追い付くのに・・・一瞬





ううん・・・それさえも

かかりません







・・・ガシっ…




振り切ろうとする私を

優人が後ろから両腕で

私の胴体を…思いきり抱えるように

がっちりと捕まえました






『んっ・・・!ゃ・・・だ!!』







『~~落ち着けって・・・バカ!!

どこいくんだよっ・・・』








『っ・・・ゆぅちゃんの

いない所に行くのよっ・・・

はなしてよっ・・・はなして!!』






私は優人の腕の中で精一杯
腕や脚を動かして暴れていた






『あぁ、そーかい…そーかい

ソイツぁけっこーじゃねーか!

好きにしろ・・・どこへでも

勝手にしやがれ・・・』






『な…によ…~~※@#*&!!?』





そう言いながらも優人は



・・・と言うか

私の体は

優人に抱えられて、あっさりと

ぶら~~ん、と

ぶらさがっていて





それは・・・体格差だとか

力の差だとか


…と言うか

私がモタモタしてるから

仕方ないと言うか




なんて…思う間もなく

優人は私を抱えて



その言葉とは矛盾して

私を担いで部屋の奥へ…奥へと

移動していました





『はなしてってば・・・っ

バカぁっ・・・タレ目っ!!

クリクリまつ毛ぇっ・・・!!

ヒゲの剃り残しぃ・・・っ』






『~~~~へいへい・・・』




呆れと怒りを交えた相づちを打って

優人は私を

寝室に・・・ベットの上に

おもむろに放り出しました





ボフッ・・・





マットレスの反発で

私の体が跳ね上がる








『外に出んのは勝手だけどな…っ

せめて少し頭冷やしてからにしろバカ!』






『・・・っ』





バタン…




寝室のドアが閉められて

優人の足音だけがする





スタスタと…廊下まで行く足音





バタン・・・ガチャリ・・・・っ






玄関のドアと…施錠した音がして

優人はいなくなった

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