テキストサイズ

碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第5章 はじめての・・・ケンカ

心と体の緊張が
ほぐれていくのを自覚する私に


優人は…言葉を探しながら

懸命に

続けました







『相手を想えばこそ…って気持ち

その人が、マリアを
本気で想うからこその…気持ち

それが…俺にも…わかるから

その人に…会った事もねぇし
その人の事…なんも知らねぇけどさ

だけど…マリアに対する気持ちとか
言ってる事

それが…わかるから

わかるからこそ…矛盾するって言うか』





『・・・』







『今、俺が・・・逆の立場なら

マリアに対して…その人と同じ事が

きっと・・・出来ない』








『え・・・っ?』









『・・・。仮に今…マリアに
俺じゃない…別の相手がいて

俺は…マリアを
諦めなければならないとしても

今の俺は…きっと
その人みたいに

マリアの幸せを願って
マリアを想い続けて

身を引く事が・・・きっと出来ない』







『・・・』








『俺には…きっと…そんな

デカイ〃器(うつわ)〃は・・・ない』







『ゆぅちゃん?・・・』










『だから・・・焦った』









『・・・ぇ』








『マリアを疑った、とか

そんなんじゃなくて

なんか・・・その人の器っつぅか

人間のデカさに

勝手に・・・・・・焦った』








『ゆぅちゃん・・・』








『バカだよな・・・俺』





『・・・っ』









『マリアの・・・言うとおり』





そう言いながら
優人は・・・右手を

そっと・・・私の頬に
伸ばしていました








『マリアが・・・〃ここにいる〃のにな?』








『・・・』









『俺を・・・〃選んでくれた〃のにな・・・』








『ゆぅちゃ・・・・』










『ごめん・・・』







『・・・~』









『ごめんな・・・・・マリア』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ