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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第5章 はじめての・・・ケンカ

ずっと不思議に思っていたの



女の子からメールが来たからって

私は優人を何か疑った訳でも
なんでもなかった

私が不安になるような事を
優人がした訳でも言った訳でもない



そして・・・そもそも

お互いを疑う余地なんて

ありません




それなのに、沸き起こった

小さなすれ違いのような

大きなケンカ






私は・・・・思うのです




それは・・・私たちが

かつて

少し特殊な関係にいたからこそ




私たちに…自然と刻まれた

ある種の〃トラウマ〃のような

見えない心の傷かもしれない、と







私にでも…優人にでも

どちらにであっても

他の誰かの存在が見え隠れすれば

私たちは・・・また

一緒にいられなくなるかもしれない





お互いの気持ち

お互いが…お互いを、どんなに想っても

一緒にいられない






そんな・・・私たちの経験



その記憶が

無意識に巻き起こす



そんな無自覚な・・・恐怖心が

私と優人の中に

刻まれていたのかもしれません






優人が必死に伝えてくれた言葉




その意味は…私は

十分過ぎるくらいに

よく理解が出来ました





それを…優人は

〃器がない〃なんて言ったけれど





それはきっと・・・ちがう・・・。






例えば

〃相手を思って…身を引く〃

それが出来ないのは

〃器がないから〃ではありません




少なくとも…今の優人


今の私たちには…ちがいます








私たちは・・・ただ




もう、誰にも

私たちの間に入ってほしくないだけ







二度と・・・はなれたくないだけ






なにがあっても

誰を差し置いても





私たちは・・・〃はなれられない〃だけ







私たちの心にあるのは


きっと・・・ただ、それだけ

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