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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第6章 優人の心・・・


『俺…まりあの事・・・大好きだ』



『・・・』



マメに連絡をくれる和樹と

再び・・・・それも二人きりで

食事に行った時に

和樹はその想いを告げてくれた



しばらく無言で

少し・・・・強いお酒を煽っていた彼






ギュウ・・・




『っ・・・カズくん・・・』




少しオシャレなダイニングバーの個室

和樹が突然私を抱き寄せて







『まりあ・・・付き合って』







私も・・・和樹が好きでした






やさしくて…かっこよくて


頭が良くて…真面目で





なんて



そんな・・・・〃肩書き〃のようなもので

好きだった訳ではありません





一番好きだと思ったのは

やっぱり、その人柄





和樹は…いわゆる

親のスネをかじって
遊びほうけている

そんな大学生ではありませんでした





真面目で…誠実

そういう言葉がふさわしい



優秀だと言うのも

納得出来る



私は・・・・そう思っていました。






『私も・・・カズくん好き』





私は彼の気持ちに迷わず答えました








高校生まで過ごした地元で

私も…人並みに

彼氏がいたこともあったけれど



親元をはなれ一人暮らしをして

学生という身でありながらも



どこか…一人前になった気でいるような

そんな年頃に


ちゃんとした彼氏が出来たのは

これが初めてでした



親の目も届かない

すっかり大人にでもなった気で


お互いの学業の合間をぬっては

デートをして



実家住まいの彼は

時々私の家にやって来て

私が手料理を振る舞ったり



・・・なんて





お父さんやお母さんに

なにげに伏せている

そんな少し後ろめたいような気持ちだったり




私が…私なりに

〃青春〃していたのだと思います。




人気のデートスポットに行ったり

季節こどのイベントを楽しんだり

お互いの誕生日をお祝いしたり



そういう…誰もが一度は憧れる

大好きな彼との幸せな日々を

私が…初めて

本当に経験したのは

この人でした



毎日が

楽しかったのです

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