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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第6章 優人の心・・・

〃『カズくん授業じゃないの?

もしかしてサボったの?(笑)』〃




平日、学校にいる私に
彼から届くメールに返信していた時のこと




〃『父の仕事を手伝ってたんだ

今日は授業は休んだ』〃






彼の父親が、あまり体が丈夫でないとは
私も聞いていた


家業と言うのか
お父さんが自分で会社をやっていること


彼は…若くして
学業の傍ら、それを手伝っていること




年頃の男の子が自分から
そんな事を一々口には出さないけど

彼は…自分の父親を
とても尊敬していた



その…親や家族に対する
思いやりや優しさ





親思いで・・・家族を大切にしている

やさしい人




それが・・・和樹の印象



いいえ

実際に彼は・・・そういう人でした




私は・・・・そんな和樹が
本当に大好きでした














『父と母に・・・会ってほしいんだ』





『ぇ・・・』





仲良く・・・・順調に交際はしていても

彼の実家に私が行ったことは

まだ一度もなかった




そんなある時

カズキに急に提案されたのです





べつに・・・おかしなことではない



光栄なことだ





緊張こそしたけれど

私は頷こうとしました






だけど・・・











『え?カズくん・・・それって、でも』





一度最初に

カズキが私を連れて行くと言ったのは




ご実家のご両親のもと・・・




・・・ではなく










『親父が・・・入院してるんだ』









病弱な彼のお父さんが寝込んでいる

病院でした・・・。










『そんな・・・お休みになってる所に

突然、押しかけるなんて

迷惑なんじゃないのかな・・・?』









常識的に考えて…というのも然り

そして私の中にも

名前のない戸惑いのようなものが

生まれました






だって・・・













『俺には…まりあみたいな子がいるんだ

って・・・父に

安心してほしいんだ・・・』







『・・・』

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