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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第6章 優人の心・・・

『お義母さん…わがままを言って

本当にすみません・・・』




彼が卒業して、就職する
そのタイミングで

私たちはマンションを借りて
彼の実家を出ました





『いいのよ、いいのよ♪
カズキが学生だったしね

あなたたち新婚さんらしいことも
ろくにしていないもの

お互い干渉しない方が楽でいいものよ
これからは二人で
のんびり過ごしてちょうだい』





『ありがとうございます・・・っ』




彼の母親も…理解のある人だ
そう思っていました





夫との二人暮らしが始まる






楽しい…それはもちろん楽しかった




だけど・・・何事も
それだけではありません






『ちょっと・・・カズくん・・・・』




『疲れた・・・~寝る』





私も…私なりに
仕事をすると言うこと

お金を稼ぐということが
どれだけ大変かは知っている




だけど・・・彼は



夫は…実家から出た事がない



親からはなれて一人前になった

それはそうかもしれない




けれど・・・・自立するって

それだけではない

私は、そう思うのです




はっきり言ってしまえば

カズキは…基本的に

家事や炊事の一切が出来ない




私と住み始めても

〃実家にいるのと同じ気分〃




正直に言うと

それが現状でした




〃男の人だから〃

・・・それもあるかも知れない




けれど・・・・彼の場合はどうだろう



そもそも、そういう努力は
するつもりがない


自分がしなくても
私がいれば成り立つのだし





あるいは…昔の人のように


「亭主>女房」とでも言うのか


家庭の中の力関係のようなものを
作りたかったのか・・・



色んなものが

私を・・・モヤモヤと

包んでいくのでした

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