テキストサイズ

碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第6章 優人の心・・・

夫の・・・そんな兆候が
まったくなかったのではない



だけど・・・〃そんなことくらい〃なら



身内の問題や…ケンカ

そんなものは…どこの家庭にもある



私は…そう思って

堪(こら)えてしまったのです






仕事を辞めたら時間に余裕が出来て
ピリピリしたりイライラなんかしない

夫の言うように、家庭に入った私




そんなことは・・・ありません

まったくありませんでした




私にあったのは・・・狭い世界と

不安から来るストレスでした





生理が遅れがちになり

何もないのに寝込んだり

不眠やイライラ…泣きたくなったり

実際に泣いていたり

・・・死にたい・・・だとか

いけない事を考えたり





「あら、久しぶりねぇ名前が変わった?

結婚してたの・・・~~そう」





ニコニコして明るく私に問診するのは

上京した頃からお世話になっていた
女性外来の年配の医師


私は…そこで驚くことになる





「今日は…どうしたのかな?

~~うん、うん・・・・そっか、そっか
それはつらいよね

結婚して何か変わった事とかあるかな?
そうね~~…姑が口うるさいとか&@#※」




『・・・』


開口一番…医師の言うことに

私は……驚いた



検査をしたって何の異常もない私の体



「女の子の〃体と心はイコール〃なの

環境の変化や心に本当に影響を受けるの」




自分で…〃よくある事〃と思っていた事が

思わぬ形で自分の身を実際に滅ぼし
そして、それに自分自身で気づけない

そんな事実を知るのです


デリケートな問題故に
医師は〃そうです〃とは言わないけれど



健康な人間が、体を病む

それは・・・心にダメージを受けたということ


その原因(環境)から離れない限り
治らないと言うこと


何年もそれを知らず
ズルズルと堪えてきた自分が
怖くなりました



「チャンスがあれば赤ちゃんも
産んじゃいたいものね

お薬は・・・・影響のない薬に
しましょうね」



赤ちゃん・・・・医師の口からであっても
私にはどうにも辛い話題でした


鬱病だとか…それとは違いますが

だましだまし
そんな生活を続けていました





そして
私に吐き捨てた事はどこ吹く風で

仕事の忙しい和樹こそが
いつもピリピリしていた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ