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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第6章 優人の心・・・


『っ・・・・ひ・・・っ、ぃや・・・っ』







ガチャン・・・・っ







ぼんやりと・・・そんな

考え事のように

過去を振り返る私は




恐ろしい記憶と共に

我にかえり




無意識に…その記憶

その映像を…振り払い

掻き消すように

両手をガバッと

前に押し出していた









『っ・・・・ハァっ・・・・ハァっ』






オデコが冷や汗をかいていました





〃いやだ・・・・なに考えてるの私・・・〃





汗を拭い

冷静になろうとする






なのに






『っ・・・・』





ポタポタ・・・・ポタ






涙が勝手に落ちてきて

私を…余計に錯乱させようとする





そして・・・気づけば

私が記憶を振り払うように

振り回した手が

テーブルのティーカップを直撃





カップは…床に落ちて

無惨に砕け散っていた






『ぁ・・・』





やっと・・・やっと我にかえる




そんな様子で


私は慌てて壊れたカップに

手を伸ばしました






『・・・』





カシャ・・・・カチャン・・・・






黙って、ひとり

割れた破片を拾い集める







『・・・・』






カチャ・・・カシャ・・・








手が・・・ずっと震えていました







そして







『い・・・・っ・・・・~~』






陶器の鋭い破片が

私の指をかすめ

指から血が流れる







『っ・・・・うっ・・・っ・・・・うっ・・・』

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