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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第6章 優人の心・・・

私は・・・元夫のことを


橘のことを・・・庇うつもりは


ありません





私にも悪い所がある

更には…許されない罪まで犯して

それは大前提であり




夫婦という関係で

一方が100%悪い



やはり、それは

成り立たないと思うのです




私の行いはもちろんですが




橘のしたことが

私に・・・したことが

許される…とは

私は・・・思いません







だけど・・・私は






和樹は〃最初から〃


いわゆる〃そういう人〃だったのではない







少なくとも私は・・・そう思っています








本当に・・・カズキを

庇うわけではないのだけど





私は・・・これでも

橘と長い時を共にしてきた





それ故に私だけが見てきた

そんな橘の姿も…やっぱりあるからです







優しかったカズキ





何かが・・・



彼を取り巻く境遇が

彼を・・・変えてしまった




そういう要因だって

少なくともあると

私は・・・思うのです




だから・・・・仕方ないとか

許されるとか

そんな事は勿論思いません





だけど


その境遇が



彼の背負った…その重荷が

彼を・・・追い詰めた




その事だけは

私は・・・カズキのことを




やはり

気の毒だと

思わずにいられない



そんな一面も・・・あるのです






こんな事をお話ししたら皆さんは

「それは洗脳だ」「トラウマだ」

なんておっしゃるでしょうか?








カズキは・・・悪い人だったのではない




向き合い方を

乗り越え方を



少し間違えただけなんだ・・・と。




そして・・・私も



そんな夫と

向き合い切れなかったのだ




もしかしたら

別の乗り越え方


別の向き合い方も

あったのかもしれない




だけど私には…それが出来なかった







かつて確かに惹かれ合い

一度は愛したのです



大好きな人だったのです





けれど

結果として

別々の道を選んだ








今となっては

あるのは…その事実だけです


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