
碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~
第8章 純白の誓い
『マリア・・・どうだ?(笑)』
『ぁう・・・』
気に入る、気に入らないとか
そんな問題でない
それ以前の問題だって事は
もちろんわかっている(笑)
されるがまま
それこそ
着せ替え人形状態のマリアは(笑)
式場の係員の手前
俺に本当に言いたいことも言えずに
端から見たら
隣…そのまた隣のブースにいるような
〃晴れ着選びに迷ってるお嫁さん〃と
変わらない姿だ(笑)
ワガママのワの字も出てこない
随分と控え目で
おとなしい花嫁さんだけどさ(笑)
『なんだ?マリア
気に入らねぇなら他に行くかぁ?(笑)』
『ちょっと?!ゆぅちゃん…!
声が大きいよ!!』
なんて
わざわざマリアに冷や汗かかせてみたり
『ここ人気らしくてな♪予約いっぱいで
奇跡的に取れたのになぁ~~
しょうがねぇなぁ
今回はやめとくかぁ?(笑)』
『ゆゆゆ・・・ゆぅちゃん!
私が言ってるのはっ・・・
そういう事じゃなくて・・・!』
クスクス笑っている係員を
チラチラと気にしながら
気まずそうにあわてふためくマリア
『まぁ、しょうがねぇよな~~
いいぜマリア~~♪?
今なら・・・なんと・・・たったの
たかが・・・〃キャンセル料〃で
事は済むからよ♪(笑)』
『半ば〃脅し〃じゃない・・・!
半ば・・・〃強制〃じゃないそれ!💧』
『(笑)
馬子にも衣装ってか?♪
中々いいじゃんマリア・・・』
所々茶化したり
テキトーにブラックジョークかましたり
マリアの抗議をかわしながらも俺は
俺は・・・
照れ隠しに・・・忙しかったんだ。
だってよぉ
恥ずかしがるわ
遠慮するわで
顔を真っ赤にしたマリアに並んで
俺まで照れて真っ赤になってたら
メチャクチャだっせぇだろ?
・・・って言いたいとこだけどさ
本音は・・・
真っ白な鳥のような・・・
純白のドレスに身を包むマリアが
本当に・・・
本当に・・・あんまりに
綺麗すぎたから・・・。
