無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

そう言って

俺はポケットから小箱を取り出す




『ぇ・・・？』







『〃選べ〃って・・・言ってんのに

ちっとも聞かねぇから

俺が選んじまったぞ

き…気に入らなくても

文句・・・言うなよなマリア』






『・・・』







『世間の・・・ヤツらは

こうやるモンじゃねぇのか？』










パカッ・・・ってさ









俺はマリアの前で

ダイヤの指輪の入った小箱を

開けて見せた










『これ・・・』














『結婚してくれ・・・マリア』











『・・・っ』







〃可愛くない事言うのはやめた〃





マリアは・・・その宣言を

鮮明にするかのように




言葉より先に

涙を流した







『ゆぅちゃん・・・っ』









『・・・(笑)泣くなよ』









指輪も何もいらない、なんて

マリアは言うけどさ



これくらい

してやりたかったんだ





婚約指輪？事の順序？


そんなもんにのっとってたら


意味も何も、ないかも知れないけどさ







俺はマリアの左手…ペアリングの上に

ダイヤの光る指輪を重ねた






『ふふ・・・普通は

逆に重ねるんだろうけどな♪』






『っ・・・うっ・・・っゆぅ・・・ちゃ』








結婚指輪は・・・そうだな

この先…何年後とかでも良いから

俺とマリアの〃記念日〃に

今度こそ



マリアに好きなのを

選んでもらいたいぜな









『ありがとう・・・すごく綺麗』





マリアは左手を俺に見せて

涙でいっぱいの目を

精一杯細めて微笑む





そんなもんより

マリアのが・・・綺麗だった



マリアの幸せに笑う顔に比べたら

俺にとっては、そんなもんの価値は

ただの石ころでしかない









『ゆぅちゃん・・・私も

今度こそ、ゆぅちゃんを幸せにしたい

・・・優人さん

私と・・・結婚してください』







マリアは涙を拭い

笑顔で俺にお辞儀をした









『マリア・・・大好きだ』





『ゆぅちゃん・・・大好き』









幸せになりたい…って

幸せになる…って

誓うんだぞ？マリア