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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第1章 澄みきった青空

スグルさん・・・本当に

心が澄んだ素敵な人。








あの人・・・〃優人〃が





広く・・・暖かく微笑み

時には曇り空

時には激しい雨模様のように


その優しさとつよさで

私を包み込んでくれた


広く大きな・・・

澄んだ〃青い空〃だとしたら









スグルさんは


穏やかに・・・寄せては返す

静かな波のような


いつもそこにある

優しく広い・・・穏やかな

〃大きな海〃のような人でした






〃辛かったら帰っておいで〃

〃良いことがあったら知らせて〃



家族のような

優しい言葉をかけ

私を送り出してくれたスグルさん






けれど・・・私は




私が見上げていたのは


いつでもそこにある


広く大きな・・・〃青い空〃でした









スグルさん(優さん)の名前を見て

あの人を・・・〃思い出させる〃

なんて言った私





〃思い出す〃

〃思い出させる〃




便利な言葉



なんと自分に都合の良い
物言いをしていたことでしょう





なんて・・・私

何言ってるのかな?




自分で・・・言ってしまいました


その名前を・・・出してしまいました






思い出したりなんて・・・しません




思い出したことなんて

一度もありませんでした







見抜かれたから?

それはそうかも知れない





けれどようやく・・・自覚していたのです






〃思い出すこと〃なんてありませんでした






〃忘れたこと〃がないから・・・






私は・・・あの人を






〃優人〃を

忘れたことなんてなかった







二度と会えなくても




忘れる事は出来なかった








私の心にあったのは・・・〃青い空〃






私の心の中には



いつだって・・・優人だけがいた。

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