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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第2章 薄紅色の奇跡・・・

翌日には私は住まいを探しに街に出た



不動産屋さんを訪ねて
物件を案内してもらう




最悪は・・・とりあえず
ウィークリーマンションでも



なんて考えたけれど



やめました




短期滞在で治療が終わる事は
考えられない




何度も引っ越しをするほどの
ゆとりなんてあらゆる意味でありません




住む場所がないと
お仕事だって厳しい




住む場所は・・・定まっていないと








「女性のお一人暮らしですからね~~
○○エリアなんかはいかがですか?

駅からの距離に…~ええ、それから
他に譲れない条件などは???」






医療でも・・・流行でも



なんでも



この国の最先端を走るこの土地




便利で華やかな分

物価にしても土地にしても

それに比例して高騰するのは

私だって知っています




のびのびとした田舎町に
生まれ育った私が

夢を抱き
あるいは都会の一人暮らしに
憧れを抱いて

元気いっぱいに上京した
うんと若く幼いあの頃とは違うのです






こんな土地で


〃オートロック付き〃で


〃最低3階以上の
エレベーター付きの家〃で


〃お風呂とトイレは別〃で


〃駅からの徒歩○分〃で


〃コンビニ・スーパーが近くて〃


〃築年数は○年以内〃で~・・・






・・・などと




おおよその理想的な好条件を

ベタベタと突きつけていては

今の私に住める家など

この辺では

到底見つかりっこありません










『あの・・・なるべく

お家賃の安い物件でお願いします』







遊びに来たのではありません



都会の華やかな暮らしに
憧れてきたのでもありません



私に必要なのは

優雅な暮らしでもなければ

便利な暮らしでもありません




まずは私が・・・

私でも、生活出来るかどうかです

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