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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第2章 薄紅色の奇跡・・・

「お一人暮らしは初めてですか?」


『ぃ・・・いえ』







「女の子の一人暮らしは

親御さんも、さぞご心配されるでしょう?」





内覧に向かう不動産屋の車の中
営業トークが50%

女性の一人暮らしに見合わない
私の求める物件の条件に

遠回しに難色を示すのが50%



その道のプロの営業マンは
気を利かせて
上手く案内をしてくれる






けれど当の私にしてみれば


〃女の子〃・・・なんて言われても


30歳も過ぎた


それもバツイチの女の一人暮らし




親に心配をかける・・・だとか


そもそも親の世話になっているなんて


とうに過ぎた年齢





そんな・・・心配していただくような



そんな心配なんて



私は・・・大して抱いていない



必要も正直ないと思っていましたし




もっと簡単に言えば・・・




私は、ただ



必死だったのです。






とは言え〃おそらく〃

その営業マンのトークの意味合いが

それ・・・




・・・だけではないことも

少し気づいては・・・いたけれど











『あは・・・

いえ・・・もう良い大人ですから

そんな心配なんてしません』





何も…わざわざそのトークに

水をさす事はありません



それとなく

その真意を確めつつ

やんわりと・・・流します







チラ・・・チラ・・・




営業マンが

私の記入した申込書・・・




私の・・・生年月日を

確めているのが

・・・わかってしまいます






『?・・・あ……あぁ・・・

~さようですか・・・はは

えぇ…それでですね…@&##*』





私の・・・〃おそらく〃が

確定する瞬間




『・・・』



〃やっぱり・・・〃





なんて・・・少し苦笑い



・・・して



少し・・・傷ついたのをごまかします。







フゥ・・・



心の中で少しため息ついて



車の窓に映る

少し・・・(本当は結構)

コンプレックスの

あまり成長しない私の

童顔を見つめ



これもまた、心の中で

自分の頬を

〃つね~~〃っとつねるのです


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