テキストサイズ

碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第2章 薄紅色の奇跡・・・

「エレベーター付きの物件が…~
少し古いですがごさいますよ?」



これも核心を突いては言ってこないけれど
仮にも女の一人暮らし・・・

それを加味して
不動産屋さんは

より安全で
私の条件にも合うような物件を
ピックアップしては勧めてくれました



女性に人気の3階以上の部屋


・・・よりは1階の部屋





でなければ



エレベーターの付いた物件





なんて・・・気を配ってくれるのは







私が・・・やはり





足を引きずって歩いているのは

否応なしにわかってしまうから







私自身が足のハンデを条件として
提示していないから

なんとも言葉を選んで
それとなく…確かめるように
勧めてくれるのだけど



当の私は・・・本当に


こだわってはいなかったので




階段があれば登りますし

でなければ

1階のお部屋で構わないし




あるに超したことはありませんが

エレベーター等の設備なんて

求めませんでした




駅から遠ければ

その分、私が早起きして

仕事に行けば良い




もしかしたら

駅を利用せずに

家の側で働くことも出来るかも




なんとでも

私が適応出来るだけの事は

どうにでも適応する

そう思っていたので





私は自分の提示した条件を中心に

なるべく病院には近い

家賃の安い物件を

次々に紹介してもらいました。







『また明日、伺っても良いですか?』





自分の体力にも限界がある



それもありますが




やはり先方に申し訳ないと言う気持ちを
抑えるにも限界があります




健常な動きが取れれば
不動産屋さんも普通に案内すれば良いだけ




ところが、私を案内するとなると
通常の何倍も時間がかかり
効率だって当然悪いです



お仕事である以上
親切に尽くしてくれますが


実際・・・こんなに

車を降りればノロノロと歩かれて

営業マンも骨折り損・・・


他に成約しそうなお客さんは
大勢いるだろうに



なんて思うと気が引けて
私は程々で切り上げてしまいました

ストーリーメニュー

TOPTOPへ