テキストサイズ

碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第1章 澄みきった青空

さかのぼること・・・数年



あらゆる意味で
身動きのとれなくなった私は

初めて・・・ついに
実家の両親に助けを求めた




こんなに…こんなに

最悪に…迷惑をかけるならば

もっと…もう少し早く決断していれば…。




私は自分の愚かさを痛感した





自分の家族を巻き込み…そして

自分を助けてくれた恩人のような

大好きな・・・あの人をも

どん底に落とした私





これは…せめてもの罰


神様…そう思っても良いですか?




動かなくなった自分の脚をみつめ



そんな葛藤を抱えながら

私は、あの人と





大切なその人と

決別をして




地元へ…実家へと身を寄せたのだった







****************







『まりあ?おはよう』



『うん、おはよう』





朝は母が起こしてくれて
ベットから起き上がる



たったそれだけの事に
一苦労と・・・罪悪感



久々に…家族の前に現れたかと思えば
最悪の知らせをもって
家族から笑顔を奪った私…



そこに…罪の意識を感じるな
と、言われたとしても
不可能なことでした





『いただきます』




家族4人…揃って朝食をとる



母が作ってくれたごはん



こんなふうに食べるのは何年ぶりだろう





『・・・おいしい』







実家で食べる母の料理は
いつも美味しかった

ゆっくり・・・時間をかけて
噛みしめながら味わって食べる




そのごはんも…空気も
確かに美味しかった



私は毎日・・・お腹いっぱいに
おいしい空気を吸っていたのだと思う




田舎の広いお家だから?

お米や…お水がちがうから?



その…どれであっても


生まれ育った家で
家族と過ごす日々は


私の体や心のあらゆる痛みを
取っていってくれたように思います

ストーリーメニュー

TOPTOPへ