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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第2章 薄紅色の奇跡・・・


『ふふっ・・・宜しくどうぞ』






そう言って営業マンに

背を向けようとする優人






「承知しました(笑)」


「万事解決と言うことで???(笑)」




「よろしいですかね???(笑)」


「お幸せに(笑)」








「「バンザ~~イ♪???」」







とんだ案件に巻き込まれた
もはやコンビのように見える
営業マン二人は



訳がわからずとも
なんとなく・・・と私たちの状況を察し



と言うか
ツッコミようもない…とも言うように



半ばヤケクソのように
コンビを組んで・・・(コ……コント??)

そしてオチャメに

二人そろって
私たちを見送ってくれました






そんなオチャメな気遣いと対応に
優人はクスっと笑って







『わっ・・・、・・・ぁっ』




『~~』




私をひょいっと持ち上げて

並木道に入るように

その場を去って行きます







優人に

簡単に抱き上げられてしまう私の体




私の脚は




本当はもうとっくに限界を過ぎていて



もう一歩も歩けない・・・



・・・なんて悲鳴はおろか






立っていることもままならないほど



ヘトヘトに



そして



ブルブルに震えていたのです





それから

今に至っては





たった今

突然起こった奇跡に



言い様のない

衝撃・歓喜・・・感激に

興奮にも似た

身震いする程の感情に

さらに震えを増していました





優人の腕に抱えられて尚

震え続ける2本の私の脚





だけど


私は・・・気付いていました






軽々と…簡単に



私を抱える



優人のがっちりした2本の腕も








突然の運命と

それをまだ信じられないと叫ぶように




小さく・・・小さく

震え続けていたことを

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