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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第1章 澄みきった青空


『ねぇマサヒロ…彼女とかいないの?』





母は基本、家にいて
私に付ききりでいてくれた

その母が都合がつかない時は
父や…この弟が
車で病院に連れていってくれる





『マジ余計なお世話・・・』



『ふふ・・・だよね(笑)』





振り向きもせず

(運転中だから・・・当たり前ですね(笑))



淡々とハンドルを握る弟




もしも…付き合ってる子がいて

結婚を考えていても

私が実家にいたら

弟にとって…どれ程〃重荷〃だろう・・・




6歳も年下の弟


あんなに小さかった弟に

遠の昔に背も追い越されて

大人になった今になり


担ぎ上げられて

車椅子に乗せてもらう私…お姉ちゃん



情けない…恥ずかしい

色んな事を思ったものです





弟は・・・やさしい子です





出戻りも同然の

それも・・・最悪の人騒がせをして

実家に舞い戻った姉に

文句のひとつも言わず



咎めてくれれば良かった…

そんな罪悪感が募る日々




私は…家族に

『ごめんね』と言うのをやめました



ごめんねじゃなくて

『ありがとう』と言う



それは…魔法の言葉でした



家族が…暗い顔をせずに済む

明るさと、優しさに満ちた言葉





私は、また少しずつ

前向きな考えをもつようになっていきました






罪悪感で…追い立てられるように

頑張るのではない






私は…まず、私自身のために





綺麗事は捨てて

そう思うことにしました




そこに・・・もちろん

焦りだってあった

それも事実ですが・・・







家族は…温かく、優しい


それに甘えているのが当たり前でないのは
勿論のことです



だけど…加えて



当たり前で残酷な現実もあります






残酷な言い方だけど…当たり前のこと






〃親は・・・先に逝く〃







それは…誰もが避けられないこと





今はまだまだ元気でいてくれて

力になってくれる両親も

いつかはいなくなってしまうのだ





その時が来たら、私はどうするのか





私は…シビアに…ドライに

その現実を考えました






答えはもちろん



私の〃自立〃は…必要不可欠ということ

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