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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第3章 青空と共に・・・流れる雲

私が連れてこられたのは

彼の現在の住まい



優人の・・・実家でした








『な?!・・・ゆぅちゃんっ?』




既に靴を脱いで廊下に上がる彼の手を

振りほどくように引き返して

私は瞬時に後退しようとしました






『・・・マリア』






『だから・・・どうしてそうなるの?!

そんな・・・こんな・・・どうしろって』











『靴・・・脱ぎな?』









・・・ええ



それは・・・・もちろん






私は・・・土足で

それも人様のお家にあがるなんて

決して・・・致しません・・・はい。






・・・。






・・・・・・なんて言う







そんな次元の話を

しているのではありません






『そういう話じゃなくて・・・っ』





私はもちろん靴も脱がず
とにかく必死に手を引き返し
入室を拒んでいました





『マリア・・・いーから』



『よく・・・~~ないっ・・・』




ボソボソとヒソヒソと

奥に聞こえないように小声で

彼に抗議するよう抵抗していました




私の手が

焦りや動揺…パニックで

どんどん汗ばんで滑ってしまいそう・・・





けれど・・・私




また気付いていました





何を考えてるのかわからない

というような淡々とした

冷静そうに見える優人の



彼の手の方が

さっきから
段々と汗ばんで

今にも滑ってしまいそうに
なっていたことを







『っ・・・あっ・・・!』


『~~・・・』





優人はついに実力行使




苛立ち?とまでは言いません


焦りだとか…緊張…でしょうか?




玄関を越えようとしない私に

業を煮やすかのように





私を・・・タックル




肩に私を担ぎ上げて



スポッ・・・スポッ・・・

ぽいっ・・・ぽいっ・・・



強引に私の靴を脱ぎ捨てさせ



ストン・・・と廊下におろし






『なっ・・・にを・・・』

『・・・』





抗議する間もなく







グイ・・・っ






〃『ゆっくり』〃…と、しつこいくらい

そう言っていた

先程までとは異なり

まるで余裕のないかの様子で

私の手を引き、そのまま

せかせかと奥に向かって歩かせた

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