不思議の国のアリス
第4章 ♠︎un
目を開けて、足元に太陽系の惑星が一定の距離と速度を保って回転しているのに気づかなければ、私は永遠にここがどこかの国の星空だと誤認していたのかもしれない。
星空じゃなくて宇宙かよ!
信じられない事だ。
いやもっと信じられない事は、丸い浮き輪を付けて、まるで水中を漂っているかのように宇宙空間を浮遊している自分が信じられなかった。
何で、宇宙服着てないのに生きてるの?........。
いつから不死身に....。
そもそもここって本当に宇宙...?
ん?この泡沫、何?
私は、身体を大きな薄いシャボン玉のようなものに取り囲まれている事に気付き、指先で突っついてみる。
程よい弾力がある。まるでプリンのような....。何だこれは....。
私の中で次から次へと疑問が浮かび上がる中、横の子豚はお菓子のドアのドアノブにあたるマシュマロを指の腹で押し、跡形も無く消し去っていた。
バスのサイドガラスは壊すし、空も飛ぶし、異空間に繋がるドアも作るし、この子豚只者では無い。
もしやこの泡沫も子豚が作ったものではないだろうか。
ありえる気がしてきた。