
イチャコラミックス
第5章 精霊彼女の良い土
相手はどうかな?
その気だよ。
トマトをはじめとする野菜を仕入れていた滝田農園。そこの次男滝田和信もまた、いい土、いやいい男だった。
農家を継がなかった兄に変わり、自分が盛り立てて行こうと懸命に励む姿は、清和氏の目にいつも眩しく映っていた。
そんな彼の嫁探しについては、彼の両親からよく話題に上がっていた。
いい子なんだけどなかなか、ねぇ。
やはり農家の嫁となるとハードルが高いのか。しかも次男だけど親同居が必須条件。
そんな時、和信に恋の矢は刺さってしまった。アゼットである。
彼女を思い、野菜の他に花の栽培にも力を入れ始めた。
元々切り花用の百合も生産し、その評判は上々。品種改良にも成功し、それに興味を持ったアゼットは是非とも現場を見せて欲しいと申し出たのだ。
デート?うん、デート。
カランカラン、お店の入口のベルが鳴った。
「ただいま戻りました。」
「あ、おかえり、アゼットちゃん。随分早かったね。」
「はい、素敵な農園でした。あ、香田さん!いらっしゃいませ。」
「ア…ゼット」
香田は思わず立ち上がる。
「どうか、しました?あら、少しお顔の色が優れないようですわ。また無理をなさっていらっしゃるのでは?」
と、香田の前に立つとその白い美しい手を香田の頬に伸ばし…たところで
「アゼット!…その、あの、」
言いたい言葉はあるけど上手く出てこない。
アゼットは黙って香田を見つめている。
エルミムは応援する目で香田を見つめている。
清和氏は優しい笑顔を向けている。
次朗は
「デートは上手くいかなかったの?」
とアゼットに尋ねた。
「デート?いえ、私はただ植物の品種改良というものを見せていただこうと…。素敵な農園でしたが、そろそろ香田さんがいらっしゃる時間でしたから、帰らなければ、と…あ。」
ポッと、アゼットが頬を染めた。
「リョウちゃんの勝ち、だね。」
次朗がニッコリ微笑んだ。
「良かったな」
エレミムも安心したように微笑んだ。
「他のお客さんも来る頃だから、良かったら奥、使って。」
清和氏は香田とアゼットを店の奥の部屋に行くよう促した。そう、あの防音バッチリのあの部屋。
その気だよ。
トマトをはじめとする野菜を仕入れていた滝田農園。そこの次男滝田和信もまた、いい土、いやいい男だった。
農家を継がなかった兄に変わり、自分が盛り立てて行こうと懸命に励む姿は、清和氏の目にいつも眩しく映っていた。
そんな彼の嫁探しについては、彼の両親からよく話題に上がっていた。
いい子なんだけどなかなか、ねぇ。
やはり農家の嫁となるとハードルが高いのか。しかも次男だけど親同居が必須条件。
そんな時、和信に恋の矢は刺さってしまった。アゼットである。
彼女を思い、野菜の他に花の栽培にも力を入れ始めた。
元々切り花用の百合も生産し、その評判は上々。品種改良にも成功し、それに興味を持ったアゼットは是非とも現場を見せて欲しいと申し出たのだ。
デート?うん、デート。
カランカラン、お店の入口のベルが鳴った。
「ただいま戻りました。」
「あ、おかえり、アゼットちゃん。随分早かったね。」
「はい、素敵な農園でした。あ、香田さん!いらっしゃいませ。」
「ア…ゼット」
香田は思わず立ち上がる。
「どうか、しました?あら、少しお顔の色が優れないようですわ。また無理をなさっていらっしゃるのでは?」
と、香田の前に立つとその白い美しい手を香田の頬に伸ばし…たところで
「アゼット!…その、あの、」
言いたい言葉はあるけど上手く出てこない。
アゼットは黙って香田を見つめている。
エルミムは応援する目で香田を見つめている。
清和氏は優しい笑顔を向けている。
次朗は
「デートは上手くいかなかったの?」
とアゼットに尋ねた。
「デート?いえ、私はただ植物の品種改良というものを見せていただこうと…。素敵な農園でしたが、そろそろ香田さんがいらっしゃる時間でしたから、帰らなければ、と…あ。」
ポッと、アゼットが頬を染めた。
「リョウちゃんの勝ち、だね。」
次朗がニッコリ微笑んだ。
「良かったな」
エレミムも安心したように微笑んだ。
「他のお客さんも来る頃だから、良かったら奥、使って。」
清和氏は香田とアゼットを店の奥の部屋に行くよう促した。そう、あの防音バッチリのあの部屋。
