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押忍!!

第1章 押忍!!

 そして、ニッコリと笑いながら、ゴリラは言った。

「俺さぁ……いや……北都の前では、男言葉は辞める。私は、頑張って、北都に相応しい女になる。髪も伸ばす。闘いやすくて洗いやすいから、男性みたいに五分刈りまでしてたけど……卒業までは女らしくなる。約束する」

 ゴリラは、空手部主将として、3年間女を捨てていたんだ。

 だから、自分のことを「俺」と呼び、姿も男みたいにしていた。

 でも……五分刈りにチェックのスカートは似合いませんよ。

「北都、ごめんな。ここを片付けるのは、また後日にしよう。また、部活で会おうね」

 それだけ言い残すと、ゴリラはホコリ臭いこの部屋から、ゴホゴホと軽く咳き込みながら出ていった。 

 いや、あなたが女らしくなったって、僕はなびかないんです。



 僕は……守ってくれる、強い男の子が好きなんだ。

 それが叶わないから、僕が守る側になれるように、かわいい男の子の彼氏が出来るのを待ってるんだ。


 だから……女である神鳥さんには、興味ないんです。


 はぁ~、しばらくは、ゴリラに捕まったままだ…………





おしまい





















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