押忍!!
第2章 押忍2
そうか、さっき阿二木は自分の短刀で乳首を負傷していたんだ。
その傷に拳が当たったのね。
北都は……?
なにもしていないのに、息を切らしている。
私は熱いものを胸に感じ、自然に涙が溢れてきた。
「北都……」……と、言ったのは、私ではない。
おにぎりせんべい男だ。
北都はおにぎりせんべい男に近寄っていく。
「鬼桐くん……」
おにきりっ!?
こいつ、鬼桐って言うの?
「鬼桐くん。助けに来たよ。君が車にのせられたのを見て、タクシーで追いかけたんだ」
いや、なにこの展開? てか、鬼桐は拐われたんじゃなく、勝手に自分から意味なく乗ってきてるんだよ。
それと、北都!! 私が目に入らぬか!! 数十分前に、一緒にいたろ!!
「北都くん、僕は、この人が連れ去られそうになってたから、車に乗ったんだ」
そうだったの鬼桐!? だったら、必死に助けろ! 事の重大さに気が付いて、怖じ気付いて、存在消していただろ!!
「無事で良かった鬼桐くん」
「北都……」
二人は熱く抱きあっ……て、北都、なんで私をガン無視するんだ!!
鬼桐が今、私と繋げてくれただろ!! チラ見もせず、なにもなかったかのように、よく振る舞えるな!!
「鬼桐くん、早くここから出るんだ。ここは敵のアジト。時限爆弾をセットした」
「うん、わかった」
二人はそう言って去っていった。
「ちょっと!! 北都!! ふざけんな!! 助けろよ!! 爆弾てなに!?」
私は必死に体を動かすが、手錠ははずれず、足も粘着テープで縛られたまま。
「イタタタ……」
岡津馬が目をさました。
そして、なにを思ったのか、急に起き上がり、手錠と足のテープをはずしてくれた。
「もう、逃げましょう。私も雇われただけです」
「は?」
意味がわからなかった。
だけど、早くここから出なければいけない。
急いで脱出。
そこは……広々とした丘の上に建てられた2階建てのプレハブ小屋だった。
『ドーーーーン!!!!』
本当に爆破した。あっという間に赤い炎と黒い煙に包まれた。
マジで爆弾仕掛けてたんだ。
北都……お前、何者だ?
岡津馬が、私の手を握る。
「あの、この際……付き合いません?」
「……よろこんで」
なにこの展開?
完
その傷に拳が当たったのね。
北都は……?
なにもしていないのに、息を切らしている。
私は熱いものを胸に感じ、自然に涙が溢れてきた。
「北都……」……と、言ったのは、私ではない。
おにぎりせんべい男だ。
北都はおにぎりせんべい男に近寄っていく。
「鬼桐くん……」
おにきりっ!?
こいつ、鬼桐って言うの?
「鬼桐くん。助けに来たよ。君が車にのせられたのを見て、タクシーで追いかけたんだ」
いや、なにこの展開? てか、鬼桐は拐われたんじゃなく、勝手に自分から意味なく乗ってきてるんだよ。
それと、北都!! 私が目に入らぬか!! 数十分前に、一緒にいたろ!!
「北都くん、僕は、この人が連れ去られそうになってたから、車に乗ったんだ」
そうだったの鬼桐!? だったら、必死に助けろ! 事の重大さに気が付いて、怖じ気付いて、存在消していただろ!!
「無事で良かった鬼桐くん」
「北都……」
二人は熱く抱きあっ……て、北都、なんで私をガン無視するんだ!!
鬼桐が今、私と繋げてくれただろ!! チラ見もせず、なにもなかったかのように、よく振る舞えるな!!
「鬼桐くん、早くここから出るんだ。ここは敵のアジト。時限爆弾をセットした」
「うん、わかった」
二人はそう言って去っていった。
「ちょっと!! 北都!! ふざけんな!! 助けろよ!! 爆弾てなに!?」
私は必死に体を動かすが、手錠ははずれず、足も粘着テープで縛られたまま。
「イタタタ……」
岡津馬が目をさました。
そして、なにを思ったのか、急に起き上がり、手錠と足のテープをはずしてくれた。
「もう、逃げましょう。私も雇われただけです」
「は?」
意味がわからなかった。
だけど、早くここから出なければいけない。
急いで脱出。
そこは……広々とした丘の上に建てられた2階建てのプレハブ小屋だった。
『ドーーーーン!!!!』
本当に爆破した。あっという間に赤い炎と黒い煙に包まれた。
マジで爆弾仕掛けてたんだ。
北都……お前、何者だ?
岡津馬が、私の手を握る。
「あの、この際……付き合いません?」
「……よろこんで」
なにこの展開?
完