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押忍!!

第2章 押忍2

 俺は神鳥荵。高校三年生。

 小さな頃から、空手を習いはじめ、高校生になって、部活に空手があることを知り即入部。

 女子空手部では、誰も相手にならず、男子空手部でも、俺に勝てる者はいなかった。

 顧問に実力を認められ、男女総合の主将に就任。必ず、全国大会で優勝すると心に決め、高校生活の間、俺は女の容姿を犠牲に男になることを決意し、言葉も男口調に変えた。

 なめられないように、そして、闘いやすく、強さをアピールするため、俺は……いや、私は3年間女を捨てた。

 そして、今日、やっと女に戻れた。1年後輩の男子、北都に自分の気持ちを打ち明けた。

「北都、俺はお前の事が好きなんだ」

 言ってしまった……恥ずかしい。

 こんなドキがムネムネ……あ、これはもう言わなくてよかったんだ。

 私が告白……告白……なにか信じられない。生理以外、初めて自分に女を感じた。

 ファーストキスも、初めての体も、まだ捧げてない。でも、もう相手は決まった。

 今日の日が、嘘でありませんように。


 だが、こんなフワフワした気持ちが、武道家としての自分を油断させた。

 私は、何者かに黒いワゴン車に引っ張り込まれ、催涙ガスをかけられた。

 そして、すぐに目隠しをされ、なにか手錠のようなモノをはめられた。

 とっさのことに、体が対応しなかった。

 私はされるがままに、車に揺られていた。

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