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押忍!!

第2章 押忍2

 怖い……いったい、どこに連れていかれるのだろう?

 向かい合って素手同士なら、私でも勝てる。でも、武器を持っていたら……。

 私は隙を見付けて、反撃に出ようと、そのチャンスを待った。

 やがて、車は止まった。

「手を引いてやるから降りろ。無駄な抵抗はするな」

 男の声。

 私は手錠で繋がれた手を引っ張られ、ゆっくりと車を降りた。

 目がジンジンする。さっきのスプレーが効いているようだ。その上、目隠しをされている。明かりもなにも見えない。

「ゆっくりと歩け」

 言われるがまま歩く。いまは、無抵抗な状態で、手も出せない。

 ゆっくりと歩かされたあと、また男の声で「階段だ。ゆっくりと上がれ」と聞こえた。

 言われた通りに行動する。

 時おり、背中にチクチクとしたものが当たる。

 きっとナイフだ。

 下手に動くと刺すぞって、ことだろうか?

 一段一段、足元を確めるように上がる。

 生きた心地がしないとは、このこと?

 て、言うか、私をどうするつもり?

 まさか……強姦!?

 自分で言うのもなんだけど……気はたしか?

 五分刈りの女に、欲情出来るの?

 なんのマニア?

 私は、そんなことを思いながら一段一段上がっていく。

 すると、手を引っ張っていた男だろうか? 私の右肩を押した。

「ここが一番上だ。右側に壁の出っ張りがあるから気を付けて」

 優しいわね。

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