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COLOR’S~殺したのは私~

第1章 プロローグ

「私たちの一茶だったのに……だから
抜け駆けだけはしなかったのに」

残された一人の女が悔しさと一茶への想いから
顔を覆い泣き出した。

「諦めるの?諦めきれるの?」

もう一人の女は泣くことはなく
一茶を諦めるにはまだ早いと思っていた。

「だって……一茶はもう……」
「一茶への想いって、そんな簡単な物なの?
何とかしようと思わないの?」

けしかける女とすすり泣く女の声が
リビング中に反響する。

「花火大会一緒に行く約束してたのに……
もう行きたくない……」

けしかける女は閃いた。

「その花火大会……譲ってくれない?」
「勝手に行けば……もう何も考えられ
ない……」

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