愛してるって言って!
第5章 【夜の闇は白い朝を連れてくる】
『茜の手紙』
「静矢さん、おはよう。電話だよ」
ある休日の朝、忍の声で目が覚めた静矢は、眠い目を擦って一階のリビングに降りて行った。
「忍、おはよう」
「あれ、今鳴ってなかった?静矢さんのケータイ」
「え?」
静矢は慌ててまた二階の寝室に戻る。
仕事の電話か?
ケータイの着信履歴を見た静矢は驚いた。
「お義父さん…」
電話をしてきたのは茜と忍の父、靖男だった。この家を、血の繋がりのない静矢に譲ってくれた人だ。
「あっ、お義父さんですか。すみません、今お電話を頂いたみたいで…」
「おぉ、静矢くん!元気か!」
靖男の太く、明るい声が聞こえてくる。
「はい、おかげさまで」
「それは良かった!なんだか、忍までそっちに行ってるみたいで悪いねぇ」
「いえ、忍にはお世話になりっぱなしで、私は逆に助けられてますから」
「そうか。なら良いんだが…。実は、静矢くんに渡したいものが出て来たんで、連絡したんだ」
渡したいもの…?
静矢は思う。静矢に、という事はつまり、そういう事だろう。
「私に、ですか」
「そうなんだ。思い出させる様で本当に申し訳ないが…」
やっぱり。
「多分、これは君宛の…手紙だろうと思ってな」
「手紙?それって…遺書って事ですか!?」
静矢は、思わず声が大きくなって、口を噤む。
「そうだな。そう言って間違いないだろう。今日、そっちへ行こうと思うんだが、予定が入ってたら…」
「いえ、大丈夫です。あ。でも…」
静矢は、ドアの方を見て少し考えてから言った。
「静矢くん?どうした」
「すみません、外でもいいでしょうか。ちょうど用事もありますので…店は私が手配します」
「そうか。じゃあ2時過ぎくらいには那須に着くと思うから。よろしく頼むよ」
そう言って、茜の父親は電話を切った。
「静矢さん、おはよう。電話だよ」
ある休日の朝、忍の声で目が覚めた静矢は、眠い目を擦って一階のリビングに降りて行った。
「忍、おはよう」
「あれ、今鳴ってなかった?静矢さんのケータイ」
「え?」
静矢は慌ててまた二階の寝室に戻る。
仕事の電話か?
ケータイの着信履歴を見た静矢は驚いた。
「お義父さん…」
電話をしてきたのは茜と忍の父、靖男だった。この家を、血の繋がりのない静矢に譲ってくれた人だ。
「あっ、お義父さんですか。すみません、今お電話を頂いたみたいで…」
「おぉ、静矢くん!元気か!」
靖男の太く、明るい声が聞こえてくる。
「はい、おかげさまで」
「それは良かった!なんだか、忍までそっちに行ってるみたいで悪いねぇ」
「いえ、忍にはお世話になりっぱなしで、私は逆に助けられてますから」
「そうか。なら良いんだが…。実は、静矢くんに渡したいものが出て来たんで、連絡したんだ」
渡したいもの…?
静矢は思う。静矢に、という事はつまり、そういう事だろう。
「私に、ですか」
「そうなんだ。思い出させる様で本当に申し訳ないが…」
やっぱり。
「多分、これは君宛の…手紙だろうと思ってな」
「手紙?それって…遺書って事ですか!?」
静矢は、思わず声が大きくなって、口を噤む。
「そうだな。そう言って間違いないだろう。今日、そっちへ行こうと思うんだが、予定が入ってたら…」
「いえ、大丈夫です。あ。でも…」
静矢は、ドアの方を見て少し考えてから言った。
「静矢くん?どうした」
「すみません、外でもいいでしょうか。ちょうど用事もありますので…店は私が手配します」
「そうか。じゃあ2時過ぎくらいには那須に着くと思うから。よろしく頼むよ」
そう言って、茜の父親は電話を切った。