
愛してるって言って!
第1章 【酒と男と双子の弟】
会計を済ませた二人は、店を出た。静矢の少し先を、ほろ酔いの忍が歩いていく。
「あー気持ちいー!」
「忍、暗いから足元気を付けろよ。転ぶぞ」
「大丈夫だよ!ったく、すぐ子供扱いするんだから」
忍はそう言いながらもご機嫌だ。
不思議だ…。どうして俺はこんなに、こいつといると安心してしまうんだろう。やっぱり、茜と似ているせいなのか。
そんな事をふと、静矢が思った、その時だった。
「あっ、ねぇねぇ!静矢さん!」
一瞬、時間が止まったのかと思った。それほど、二人は一瞬で揃って固まった。
最後にそう呼ばれたのはいつだったか。その響きが懐かしくて、静矢はなんとなく、嬉しくなる。
「ご…ごめん。間違えた」
忍は、頬を掻いて笑った。
「本当、間違えただけ。気にしないで。調子に乗ってちょっと飲みすぎたかも」
忍の声が、ほんの少し震えたように聞こえた時、静矢の心臓がドクン、と大きく鳴った。
「忍」
「何?」
「いいよ、俺は」
名前で呼ばれた事がそんなに嬉しかったのか、それとも、なんとなく酔った気分になったのか。静矢は密かに速く鳴り始めた心臓を妙に思いながらも、そう答えた。
「あー気持ちいー!」
「忍、暗いから足元気を付けろよ。転ぶぞ」
「大丈夫だよ!ったく、すぐ子供扱いするんだから」
忍はそう言いながらもご機嫌だ。
不思議だ…。どうして俺はこんなに、こいつといると安心してしまうんだろう。やっぱり、茜と似ているせいなのか。
そんな事をふと、静矢が思った、その時だった。
「あっ、ねぇねぇ!静矢さん!」
一瞬、時間が止まったのかと思った。それほど、二人は一瞬で揃って固まった。
最後にそう呼ばれたのはいつだったか。その響きが懐かしくて、静矢はなんとなく、嬉しくなる。
「ご…ごめん。間違えた」
忍は、頬を掻いて笑った。
「本当、間違えただけ。気にしないで。調子に乗ってちょっと飲みすぎたかも」
忍の声が、ほんの少し震えたように聞こえた時、静矢の心臓がドクン、と大きく鳴った。
「忍」
「何?」
「いいよ、俺は」
名前で呼ばれた事がそんなに嬉しかったのか、それとも、なんとなく酔った気分になったのか。静矢は密かに速く鳴り始めた心臓を妙に思いながらも、そう答えた。
